Ageo
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Ageo
house in Ageo

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広大な畑の一部を宅地に転用し、そこに建築した平家の木造住宅です。
周辺の畑は平坦で隔てるものはなく、遠方には連なる大きな樹々が見えました。

例えば海辺や山林など、自然が豊かで開放的な土地。そこは一見穏やかな印象ですが、実は激しい雨風や日射など自然の猛威を受ける過酷な場所であることが少なくありません。
そこで建物の外形は簡潔なものとし外壁の面積を小さくし、水切れの良いシンプルな屋根をかけました。 軒を出すことで直射を遮り、Fix窓と通風窓を併用し砂ホコリや虫の侵入を防いでいます。床レベルを地面から上げ、畑の湿気から距離を保ちました。
広間では居心地の良い奥行きを与えると共にテラスを隣接させ、遠方の風景への広い視野角が得られるようにしました。 窓と壁のバランスや体積によって外部との距離感を定め、意識が景色に向かうだけでなく、優しく包まれた感覚を生み出しました。
空間の形状や仕上げなど、廊下をくぐり抜けることで繋がる諸室に個々の特徴を与え、各々の居場所が新鮮な印象になるようにしています。

建築地に呼応した建物から得られる、目に見えない安心感。
リズミカルに連続する天井の構造材。おおらかな体積。
回廊を歩くような感覚。濃色の床材や広い壁面などによって
静かな教会のような空間が生まれました。